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高ナトリウム血症に対する輸液メモ

高Na血症について

高Na血症とは「血清Na145mEq/L以上」の場合を指す
高Na血症には水喪失型とNa過剰型がある

水喪失型
原因として,水摂取不足(口渇中枢障害),水排泄過剰(尿崩症,利尿薬),腎外性水排泄過剰(下痢,嘔吐,熱傷)

治療
細胞外液量の低下が著しい場合→生理食塩水や乳酸リンゲル液
細胞外液減少が著名でないとき→5%ブドウ糖液や低張液
ただし補正速度は<一日8mEq/L未満

Na過剰型
原因として,Na摂取過剰,腎Na排泄低下(原発性アルドステロン症,Cushing症候群)がある.

治療
高度の場合ループ利尿薬による塩分・水分排泄と尿量分のブドウ糖液や1/2生理食塩水の補正
中等度以下では1/2生理食塩水を主体に補正をする
ただし補正速度は一日8mEq/L未満
(year note 2019より)

参考となる式

①高Naは進行しているのか


尿(Na+K)濃度>血清Na濃度で高ナトリウム血症は改善傾向
尿(Na+K)濃度<血清Na濃度で高ナトリウム血症は悪化傾向

例えば
尿Na 140 mEq/L ,尿K 30 mEq/L,血清Na 160 mEq/Lの場合
尿(Na+K)=170>160=血清Na より高Na血症は改善傾向と考えられる

②Adrougue-Maidiasの式


ΔNa={輸液中の(Na+K)-血清Na}÷(体重×0.6+1)
Adrougue-Maidiasの式である輸液を1L投与後のNaの変化を予測できる
※この式は尿量や不感蒸散を考慮していないので注意

例えば体重 50kg,血清Na 160 mEq/Lの人に5%ブドウ糖液(Na:0 mEq/L,K:0 mEq/L)を1L投与した場合の予測ΔNaは
ΔNa=(0-160)÷31
≒-5.16 mEq/L
すなわち血清Naは154.84に低下すると予測できる

仮に5%ブドウ糖液2L投与した場合
2×(-5.16)=-10.32 mEq/L
一日の最大補正速度の8 mEq/Lをオーバーしてしまう

③水欠乏量の推定


水喪失型では体内で水が欠乏しており水を補給する必要がある

水の欠乏量は以下の式で推定できる
水欠乏量=体重×0.6×(血清Na濃度/140-1) L

例えば体重50 kg,血清Na 160 mEq/Lの場合
水欠乏量=50×0.6×(160/140-1)
≒4.29 L
4.29 Lの水分欠乏があると予測できる

②ΔNaの推定と③水欠乏量の推定より、一日最大補正を超えないように輸液の種類、量を選択する

参考文献:水代謝(ナトリウム濃度)異常の考え方
https://www.jsn.or.jp/journal/document/50_2/076-083.pdf

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