初期研修病院選びstudent doctor マニュアル

QOMLの高い初期研修病院の探し方 

1年目初期研修医ちゃべすです。現在地方の病院で初期研修を行っています。

4-6年生は初期研修先にどのような病院を選べば良いのか迷いますよね・・・

ちゃべす
初期研修はどんな病院を選べば良いのだろう・・・
トアロ
高給病院?ブランド病院?都心の病院?大学病院?

私の周りもブランド病院をたくさん受験する方、都内の病院を受験する方、出身大学病院しか受験しない方、さまざまな方々がいました。

私はQOLと給料、教育体制を重視して初期研修病院を吟味し、真剣に選びました。その結果以下のような病院にマッチすることができ、非常に満足な初期研修生活を送っています。

研修先病院

月給総支給65万(基本給40万代)

・時間外勤務原則なし、土日勤務なし 時間外手当有り

・当直は24時まで 当直代3万円/回 当直回数は0-8回程度研修医が決められる 

・日中はそれなりに仕事あり 手技も豊富に経験できる 教育体制あり

・タスキ掛け制度あり 気軽に有給を取れる雰囲気


この記事では私の初期研修先病院の選び方やよかった点、確認不足だった点などマッチングの経験からまとめています。これからマッチングを迎える医学生の方の病院選びの役に立てば幸いです。

注意:本記事ではハイポQOL病院を探す上で注意した点をまとめています。
朝から夜中まで働きたい方、薄給でもブランド病院で働きたい方の参考にはならないと思いますので、ブラウザバック推奨です。

どの項目を優先するのか

・給料

・勤務時間、土日

・立地

・診療科

・教育体制

・研究体制

初期研修病院の大まかな見つけ方

・レジナビbook 地域別臨床研修指定病院 厳選539

・ポリクリ中に初期研修医、後期研修医に聞く

研修病院選びに確認する項目

・給料

・土日休み、長期休暇、有給日数、当直明け勤務の有無

・出勤時間、退勤時間

・必修科の研修内容(内科6ヶ月、救急3ヶ月、精神産婦小児外科各1ヶ月、地域医療)

・当直回数 当直体制

・研修医人数

・福利厚生

・関連病院

・研修医室、研修医

・タスキ掛け制度があるか

・基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)

どの項目を優先するのか

病院選びの中で自分が重要視する項目と順位を自分の中で決めておきましょう。

研修病院選びでは、自分の要求を満たす病院を選ぶことが一番満足感を得る結果になると思います。

項目としては給料、勤務時間、休暇、立地、診療科、教育体制、研究体制などが挙げられます。

例えば

①給料30万 時間外勤務なし 都心 当直なし 教育体制あり 研究体制あり

②給料30万 時間外別途支給 都内 当直5回/月(1万/回) 教育体制あり

③給料45万 時間外別途支給 地方 当直4回/月(2万/回) 教育体制あり 全診療科あり

④給料60万(時間外手当75時間見込み分込、当直代込)都内 当直10回/月 教育体制あり

⑤給料80万 時間外別途支給 地方  当直なし 教育体制なし 全診療科なし

皆さんならどの病院を選びますか?人によって選ぶ病院は変わってくると思います。

しっかり勉強したい人が⑤の病院にマッチすれば教育体制のなさに失望することになります。

QOL重視の人が④の病院にマッチすれば、仕事量に謀殺されます。

高給希望の人が①の病院にマッチすれば給料の低さに悲しむこととなります。

このようなことにならないためにも自分の中で希望する項目と順位を決めておくことが大切になります。

ちゃべす
そうは言っても、たくさんある研修病院からどうやって絞っていけばいいの・・・
トアロ
研修病院候補のリストアップの方法は次の項目で!

初期研修病院の大まかな探し方

レジナビbook 地域別臨床研修指定病院 厳選539

レジナビに登録しておくと登録住所宛に厚さ8cmほどあるこちらの本が郵送されてきます

都道府県ごとに研修指定病院がまとめられており、初期研修病院の情報を大量に得ることができます。

チェックできる項目

・立地

・採用人数、直近の研修医の採用人数

・給与(時間外手当の有無、当直代)

・当直回数、当直体制

・医師賠償責任保険の有無

・宿舎、住居手当の有無、引っ越し代、敷金礼金仲介手数料の病院負担の有無

・社会保険の有無

・学会補助

・福利厚生(研修医室の有無、wifi環境、仮眠室、シャワー室、健康診断や予防接種の有無)

・有給休暇、夏季休暇の日数

・病院が有する診療科、病床数

・タスキ掛け研修、逆タスキ掛け研修制度の有無

・研修関連病院

・2次救急指定病院か3次救急指定病院か

・一日の救急車、walk in患者の数

上記項目は「地域別臨床研修指定病院厳選539」を読むことで得ることができるため、自分の希望する項目を中心に照らし合わせ、研修先候補病院を絞っていきましょう

ポリクリ中に初期研修医、後期研修医に聞く

大学病院で実習をすることは初期研修先病院選びに大きなメリットがあります。

初期研修医、後期研修医がたくさんいることです。

大学病院の初期研修医は2年のうちタスキ掛け制度で他の病院で実際に働いている人がいます。また、逆タスキ制度や関連病院研修を利用して大学病院で研修している人もいるため、大学外の病院の情報も得ることができます。

後期研修のために3年目以降大学病院で研修する専攻医の先生方も多いかと思います。様々な初期研修病院から専門研修のため大学病院に人が集まるため、多くの初期研修病院の評判を聞くことができます

実際に病院の評判を聞いてから地域別臨床研修指定病院厳選539で調べたり、病院見学をするのも良さそうです。

ちゃべす
研修先の候補がある程度絞れてきました・・・
この後はどうしたら良いのでしょう・・・
トアロ
次は病院見学で詳しいところを確認しよう!

初期研修について病院見学などで確認すべき項目

給料

まずは基本給、時間外手当の有無、当直代の額、賞与の有無を必ず確認しましょう。

基本給 総支給

基本給40万(見込み時間外手当40時間分込+当直代6回/月込)のような病院では基本給が高くても時間外手当や当直代がなく、総支給額は低くなってしまいます

ただし、募集要項からは給与や賞与の実態はわかりにくいため病院見学中に初期研修医に給与明細を見せてもらうのが一番確実です。

私の病院も募集要項からは「基本給43万」時間外手当あり、当直代3万/回という情報しか得ることができませんでしたが、実際の給与明細を見せてもらうと総支給が60万、手取りが50万を超えていたため、受験を決めました。

賞与

賞与も金額まで募集要項に記載されていないことが多いので、実際に聞いて確認するのが良いです

賞与は年間1万円程度から100万円近くの病院まであるので、チェック必須です。

時間外手当

時間外手当の有無と適応される時間を確認しましょう。時間外30時間以上の労働から支給など見落とさないようにしましょう

時間外手当の有無は総支給額への影響もありますが、それ以上に時間外労働への意欲に影響します。

時間外労働は平日勤務に比べ時給が高くなります。平日時間外(125%)、休日時間外(135%)、平日深夜時間外(150%)、休日深夜時間外(160%)の順に高くなっていきます。例えば時給2000円として考えた場合

平日日中 2000円
平日時間外 2500円
休日時間外 2700円
平日深夜時間外 3000円
休日深夜時間外 3300円

割増の給料をもらえるため、休日の回診や緊急手術などに呼び出されても比較的ストレスなく、勤務できるでしょう。

QOLを求めるならば時間外手当のない病院で働くのはもったいない気がします。

初任給

ちゃべす
今日は4月の給料日!初任給で美味しいものでも食べよう!
事務
給料日?当院の初期研修医の初任給は5月末ですよ
ちゃべす
!? 2ヶ月無給でどうやって生きていくんや・・・

初任給は4月に振り込まれる・・・そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。

意外なことに5月初任給の施設のほうが多いのです

研修医1年目4月から仕送りが止まる方は初任給の振り込まれる月を必ず確認してください。研修修了どころか2ヶ月で栄養失調と疲労で倒れますよ!?

土日休み 長期休暇 有給の取りやすさ

こちらの項目も研修医に聞いたほうが確実かと思います。

・土日は休みなのか。回診があるとしたらどの研修科か。回診は何時間かかるのか。

・長期休暇は連続で取得できるのか、時期の指定はできるのか。

・有給はすべて消化できるのか。有給は1時間単位で習得できるのか。気軽に消化できるのか。長期連続で消化しても嫌な顔をされないか。

・休暇は夏休み5日+有給15日程度はあるとよさそうです

出勤時間 退勤時間

メジャー科や必修科を中心に朝の集合時間と夕方の解散時間を確認しておきましょう。

どの科も8時以降の集合であれば楽だと思います。

必修科の研修内容

2020年度より初期研修が一部変更となり外科・小児科・産婦人科・精神科が必修に戻り、内科・救急・地域医療の計7科となりました。志望科と関係なくとも上記7科目は研修しないといけないため、事前に研修の環境を確認しておくほうが良いと思います。

必修外科

必修外科1ヶ月は外科志望以外にとっては辛いものになる人もいると思うので、研修環境を確認しておくべきかと思います。

必修外科の1ヶ月は病院によって選択できる科が異なります!

当院は必修外科として「消化器外科」あるいは「心血管外科」しか選択できません。

他の病院では「消化器外科・心血管外科」に加えて「泌尿器科・形成外科・整形外科・皮膚科・眼科」も必修外科扱いになるところもあります。

メジャー外科をあまり回りたくない方はマイナー外科でも必修外科扱いになる病院を探してみるのも良いと思います。

産婦人科

産婦人科も激務な科となります。病院によって研修医の裁量や呼び出しの方針など全然違うと思うので、確認必須です。

小児科・精神科

施設によっては小児科や精神科の研修体制がなく外部の病院で研修する必要のある病院があるので、確認しておくと良いです。遠くの病院へ通うことになるのは大変かと思います。

救急科

救急外来は3ヶ月の必修ローテに加え、救急当直で多く関わることになる場所です。

・研修医の業務内容

救急の業務は以下のような流れになります。

初期対応→問診→身体診察→検査オーダー→アセスメント→結果説明→帰宅or入院

研修医のみで帰宅まで行う病院もあれば、帰宅の判断は必ず上級医と行う病院もあります。

どこまで研修医の裁量で行うのか確認しましょう。

・看護師と研修医の業務内容の違い

病院によって救急外来の看護師・研修医の仕事の分担が異なることがあります。研修医は初期対応・問診・診察・検査オーダーだけ行う病院もあればモニター装着から採血点滴心電図画像検査室への移動まで研修医が行う病院もあります。

・症例振り返りカンファレンスの有無

毎朝前日の救急症例カンファレンスがある病院はカンファレンスの準備が大変そうでした。

・平日日中、平日夜間、休日日中、休日夜間のおよその救急患者数(救急車とwalk inそれぞれ)

多すぎず少なすぎずがちょうどいいと思います。

内科

内科は6ヶ月必修であり、一番多くの時間を過ごすことになります。内科各科の勤務時間や勤務内容、裁量の大きさなどについて確認しておくと良いかと思います。上級医に手技を直接指導してもらえるのは初期研修期間までだと思うので、手技を経験する機会があるのかも確認してみると良いと思います。

・時間外カンファレンスの回数 開催時間 発表する症例数 

・経験できる手技(腹腔穿刺、胸腔穿刺、腰椎穿刺、中心静脈カテーテル挿入、気管挿管)など

・病棟管理はどこまでやるのか 

・朝夕の回診の時刻 土日の回診の有無 呼び出しの有無

などを確認すると良いと思います

地域医療

地域医療は病院のプログラムによって選択できる施設が全然違います。

本当の僻地で1ヶ月研修する病院もあれば、北海道や沖縄といった地域で研修できる病院もあります。。

地域医療で行きたい地域などあればどのプログラムでどの病院で研修できるのか調べてみるのも良いかと思います。

当直について

当直回数

当直回数は月何回あるのかは確認しておくのが良いと思います。当直がない病院から月10回程度ある病院もあるため自分にあった回数の病院を探しましょう。

個人的なお勧めは「研修医が当直回数を決めることができる病院」です!

お金が欲しい時期には多めに、忙しいローテや休みたい時期には0-1回と自分で当直回数を決めることができるためストレスが少なくお勧めです。

当直時間

初期研修病院には当直が17時〜朝8時半までの病院が多いですが、一部病院では当直が17時〜24時までの病院もあります!

翌日への影響も少ないため、17時〜24時の当直の病院も検討してみてはいかがでしょうか。

当直明け

当直明けは通常勤務(8時〜)半日勤務(8時〜12時)休みの病院がありますので確認は必須です。

当直明けの通常勤務は大変ですよ・・・。

当直手当

当直手当は1回いくらなのか確認しておきましょう。基本的に1年目と2年目では2年目の方が金額が上がる病院が多いですが、一部1年目から2年目相当の金額をもらえる病院もあります

当直手当は1万〜4万/回の施設が多いと思います。中には6万/回の病院もあるとか。

当直が17時〜24時の病院で17時〜8時の病院よりも手当が高い病院もありますので探してみてください。

ちなみに当院は24時までの当直で1年目から3万/回の当直手当がでます。

当直体制

病院群輪番制病院の場合、毎日当直がある病院と輪番日のみ当直がある病院があります。また、1回の当直で研修医1人で対応する病院もあれば研修医5人で対応する病院もあります。

救急当直は毎日なのか輪番日のみなのか一回の救急当直を担当する研修医は何人なのか確認しておきましょう。

医師賠償責任保険

病院賠償責任保険や勤務医賠償責任保険に個人で加入必要か病院で加入してくれるのか確認しておきましょう。病院で加入してもらえると楽です。

宿舎・住宅

病院宿舎がある場合

・宿舎の家賃 水道光熱費

・引っ越し代の病院負担の有無

病院宿舎がない場合、利用しない場合

・敷金礼金仲介手数量の病院負担の有無

・引っ越し料金の病院負担

・家賃手当の有無 上限金額

敷金・礼金・仲介手数料・引っ越し代金は病院が負担してくれるところも多いです。

家賃手当の有無と上限も確認しておきましょう。

宿舎の使用を考慮する場合は病院見学の際に宿舎の部屋を見学させてもらいましょう。パンフレットよりも古く汚い場所みえる部屋もありました。

福利厚生

研修医室の有無でQOLが大きく変わります。研修医同士で会話する時間や日中の空き時間に過ごす場所として上級医がいない空間が提供されることは気持ち的に大きいです。確認しておきましょう。

他、wifi環境やシャワー室、当直室の環境について、健康診断や予防接種の負担の有無について確認しておきましょう。

研修医担当の医局秘書がいれば気軽に相談できるのでなおよしです

関連病院

研修で連携している病院を確認しましょう。県外の病院やある分野で有名な病院と連携していれば、そちらの病院で研修できるように設定してくれる病院があります

また、関連する大学病院を確認しておきましょう3年目以降どの大学病院の関連病院に勤めることになるのか考える材料になります

研修医の人数

研修医の人数は個人の好みによるかと思います。個人的には1学年4-7人程度が多すぎず、少なすぎずでちょうど良いのかなと思いますが、諸説あると思います。

タスキ掛け制度が採用されているか

大学病院では12ヶ月程度タスキ掛け制度があると思いますが、市中病院には逆タスキ掛け制度を採用していない病院があるので、事前に確認しておきましょう。3年目以降の進路が決まっている人には関係のない制度ですが、3年目以降の進路が決まっていない人には有用な制度となるはずです

またタスキ掛け制度の期間には基幹病院かタスキ掛け病院のどちらから給料が支給されるのか確認しておきましょう。

基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)の有無

病院単位で基本的臨床能力評価試験の受験が必須な病院があります。

「基本的臨床能力評価試験」は研修医を対象とした"In-Training Exam"です。研修医の客観的な臨床能力の実力を知ることにより、次年度の研修、または、今後力を入れるべき分野・領域を把握し、総合的な臨床能力を身につけるための研修指導にお役立ていただける他、医療機関における臨床研修プログラムの評価・改善にもお役立ていただけます

https://jamep.or.jp/exam/

・多肢選択式・単純択一形式 60問 60点満点

・試験時間 120分

・問題は「症候学・身体診察・臨床手技・疾病各論」から出題

・受験料 5000円

・受験者 全国で7000人(1年目2年目研修医合わせて)

・院内順位、全国順位が受験者、病院に送付されるのみ

個人的にはわざわざ休日に2時間の試験を受け全国順位や院内順位をつけられるだけ試験を受ける必要があるのか疑問です。受験したところでTOEICのようにスコアがなにかの資格になるわけでもなく、ただただ順位と偏差値がつけられるだけです。全国での自分の順位を確認したい人は受験できる病院を選ぶと良いと思います。それ以外の人は・・・。

病院によっては受験必須なので確認してみると良いと思います。

まとめ

初期研修病院を選ぶ際に確認すべき項目についてまとめました。一番大切なのは譲ることができない点、妥協できる点を考えた上で「自分の求める条件に近い病院を探すこと」だと思います。この記事を読んでくださった皆さんが納得のいく研修病院に出会うことを祈っています。

twitterなどSNSで共有していただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

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